相続対策の第一歩は「公正証書遺言」の作成から始めよ!

相続対策の第一歩は「公正証書遺言」の作成から始めよ!

遺言とは、自分が築きあげた財産を、誰に遺すのか自ら意思表示するもので、それを記載した書面が「遺言書」となります。遺言書を通じて、本人自らが、自分の残した財産の帰属を明確に決めてしまいます。これによって、相続財産を巡る争いやトラブルの発生を防止することができます。

なぜ遺言書を書いておくべきなのか?

遺言書の最大のメリットは、子どもたちが遺産を巡ってケンカすることを防止できることです。

相続のときに遺言書が無ければ、相続人全員が話し合いして、遺産の分け方を決めなければいけません。これを遺産分割協議といいます。親が他界してしまうと、自分のほうが多くの財産が欲しいという欲望を露わにしてしまうことになります。これにより、遺産の取り合いという醜いケンカが発生するのです。

話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所で、調停又は審判で解決してもらうことになります。

相続の現場では、子供たちが親の相続を巡って感情的な対立関係となり、骨肉の争いに発展した結果、絶縁状態に陥ってしまうケースがときどき見られます。

しかし、遺言書があれば、それにしたがって分ければよく、相続人が話し合う必要がありません。親が生前に決めておくのです。

遺言はいつ書くべきなのか?

遺言は、死ぬ間際に書くものだと考えておられる人がいますが、それは誤解です。人間は、いつ死ぬかわかりません。いつ何があっても、残された家族が困らないように配慮してあげるべきでしょう。

遺言は、意思能力があるときは、死ぬ間際であっても書くことができますが、意思能力がなくなってしまえば、遺言を書くことはできません。書いても無効になります。

遺言は、元気で意思能力がはっきりしているうちに、書いておくべきものなのです。認知症になった後では、書くのが手遅れとなります。

遺言を絶対に書いておくべきケース

夫婦間に子供がいない場合

第一に、夫婦の間に子供がいない場合は、絶対に遺言を書くべきです。夫婦の間に子供がいない場合に、妻が4分の3、夫の兄弟が4分の1の各割合で分けることになります。この点、長年連れ添った妻に財産を全部相続させたいと思う人が多いはずです。そうするためには、遺言を書いておくことが絶対必要なのです。兄弟には、遺留分がありませんから、遺言さえしておけば、相続財産を100%妻に残すことができます。

再婚したが先妻の子供がいる場合

第二に、再婚して、先妻の子供がいる場合は、絶対に遺言を書くべきです。先妻の子と後妻との間では、感情的になりやすく、遺産分割争いが起こる確率が非常に高くなります。それゆえ、争いの発生を防ぐため、遺言で分け方を明確に決めておく必要があります。

内縁の妻や愛人に遺産を残したい場合

第三に、内縁の妻や愛人に遺産を残したい場合は、絶対に遺言を書くべきです。長年連れ添ってきても、婚姻届けを出していない場合には、内縁の夫婦となりますが、内縁の妻は、民法上の相続人となることができません。内縁の妻に財産を残したい場合には、遺言を書いて財産を渡すことができるようにしておく必要があります。

規模の大きな会社を経営する企業オーナー

第四に、富裕層の方々に多く見られるものですが、個人で会社経営していたり、事業経営していたりする場合などは、後継者となる相続人一人だけに財産を集中させたいというケースがあります。自社株式や事業用資産を複数の相続人に分割してしまうと、事業の存続が困難となるからです。このような場合、後継者ではない相続人から、不公平だと不満が出るおそれがありますので、後継者に特定の財産を集中するということを明確に遺言に書いておかなければなりません。

自筆証書遺言は止めておきたい

遺言には3つの形式がありますが、ほとんどが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

自筆証書遺言は、本人自ら遺言の内容の全文を紙に手書きしたうえで、日付と氏名を署名して、押印するものです。これは、全て自分で書かないといけません。リストアップした財産の一覧表(財産目録)のみ、パソコンで作成することができます(銀行通帳のコピーや不動産登記事項証明書等の根拠資料を添付することも認められます。)。

自筆証書遺言は、自分で書くだけなので、いつでも手軽に書くことができ、専門家の費用がかからないというメリットがあります。

自筆証書遺言のデメリットは、遺言書の書き方や開封の仕方を間違えて、無効になってしまうことがあることです。特に、自分で書くと、法律的な不備な内容になることがあります。

自分で書くと、ほとんどのケースが書き間違いが生じます。誤りを訂正する場合には、訂正する箇所に押印するとともに、どこをどのように訂正したかを付記して、そこにも署名しなければなりません。この訂正のやり方を間違うと、形式不備で無効になってしまいます。

また、自筆証書遺言は全てを自分で書かないといけませんが、病気で手が不自由になって字が書けなくなった高齢者の方は、利用することができません。

自筆証書遺言は、書いて残しておけばよいというものではなく、相続発生時に、家庭裁判所に開封してもらわなければいけません。これを「検認」といいます。相続人が開封してはいけないのです。なぜなら、遺言書を発見した相続人が、自分に有利になるように改ざんしてしまうおそれがあるからです。

家庭裁判所の検認を受け、相続人の誰からも異議がない場合、遺言書にしたがって遺産分割を実行することが可能となります。不動産の相続登記や、銀行預金の払戻し請求です。

しかし、検認済みであっても、相続登記や銀行の手続きには、他の相続人全員の承諾書を要求されることが一般的であり、遺言書が万能ではありません。たとえ検認済みであっても、遺言の真偽をめぐって争いが生じるおそれがあるからです。

また、家庭裁判所の検認のときに、相続人が「これの遺言書は、うちの長男が認知症の親に無理やり作らせたもので、無効だ!」などと意義を述べれば、発行される「検認済証明書」には、「相続人○○は、この遺言書の筆跡に疑義があると陳述した。」などの記載が行われることがあります。

このような記載があれば、不動産等の相続登記はできません。これは、登記を行う法務局は、権利を確定させる機関ではなく、確定した権利を公示する機関にすぎず、遺言自体に疑義があるものに権利確定させるわけにはいかないからです。

お勧めしたい公正証書遺言とそのメリット

以上のように、自筆証書遺言のもつ様々なデメリットがあります。これを補う遺言の方式として、公正証書遺言があります。

公証人が作成を手伝ってくれる

公正証書遺言は、本人が、公証人との面接において、遺言の内容を語り、それに基づいて、公証人が本人の意思を正確に文章にまとめて、遺言書を作成するものです。

遺言を作る際、「どうしようかな?」と本人が悩むこともあるでしょう。そのときでも、公証人は親身になって相談に乗り、「このように分ければよいですよ。」と助言してくれます。

公証人は、長年、裁判官や検察官など法律実務に携わってきた専門家です。ある意味、弁護士よりも法律に詳しい人たちです。それゆえ、複雑な内容の分け方であっても、法律的に正しい遺言を作成してくれます。何よりも、法律面での形式不備で遺言書が無効になるおそれは絶対にありません。公正証書遺言は、自筆証書遺言と比べて、安全で確実な方法です。

自筆証書遺言は、すべて自分で書かなければなりませんので、病気の高齢者が作成できないこともありますが、公正証書遺言では、公証人に依頼して、口頭で伝えるだけで作成することができます。本人が署名することができなくなった場合でも、公証人が署名を代筆することができるのです。

なお、本人が高齢であり、病気で療養中であるなど、公証人役場に出向くことができない場合には、公証人が、本人の自宅または病院や老人ホームへ出張して、遺言書を作成することも可能です(出張費がかかります。)。

家庭裁判所の検認は不要、公証役場で安全に保管

また、公正証書遺言は、家庭裁判所で検認を受ける必要がありません。相続開始時には、速やかに遺言の内容を実現することができます。

遺言書の原本が、必ず公証役場に安全に保管されますので、遺言書を紛失したり、隠されたり、改ざんされたりする心配も全くありません。

公正証書遺言は公文書なので、遺産分割協議書がなくても相続登記や銀行手続きを迅速に行ってもらうことができます。私文書である自筆証書遺言のような問題が生じるおそれはなく、遺言の効力をめぐる争いの予防することができるのです。

相続後のトラブルを避けるためにも、公正証書遺言を作成しておくべきです。

公正証書遺言のデメリットは作成費用だけ

公証人の手数料の表

公証人の手数料は以下のとおりです。

相続人一人が受け取る財産の価額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 43,000円に超過額5千万円までごとに13,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 95,000円に超過額5千万円までごとに11,000円を加算した額
10億円を超える場合 249,000円に超過額5千万円までごとに8,000円を加算した額

財産をもらう人ごとに、その財産の価額を算出し、それを表に当てはめて対応する手数料額を求め、その手数料額を全員分合計して、遺言書全体の手数料を算出します。

ただし、全員分を合計した価額が1億円以下のときは、ここで算出された手数料額に、11,000円が加算されます(遺言加算)。

遺言書は、原本、正本、謄本を各1部作成し、原本は法律に基づき役場で保管し、正本と謄本は遺言者に交付されます。

公証人の出張料は安い

遺言者が病気又は高齢のために体力が弱り公証役場に出向くことができない場合、公証人が、病院、ご自宅、老人ホーム等に出張して公正証書を作成してくれます。その場合には、手数料が50%割増しとなることに加えて、公証人の日当(1万円~3万円です。)と、現地までの交通費がかかります。

公正証書遺言書を作成しましたら、その正本と謄本を交付してもらうために、250円×枚数の手数料が取られます。

公正証書遺言を作成するとき何から始めるか?

公正証書遺言の作成を公証人に依頼する場合には、以下の資料を準備しておきましょう。

(1)本人確認資料(印鑑登録証明書又は運転免許証、住基カード等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)

(2)本人と相続人との続柄が分かる戸籍謄本

(3)相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)

(4)不動産がある場合には、登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書

(5)証人(2人)予定者の氏名、住所、生年月日及び職業のメモ

公正証書遺言の作成までの流れ

証人2人を決める

公正証書遺言の作成を決めたら、必要書類を準備するとともに、証人2人を選んで依頼します。公正証書遺言を作成には証人が必要で、作成のときに同席します。

証人を選ぶ際にすぐ思いつくのは家族ですが、家族はダメです。自分にたくさん財産が欲しいと考え、利害関係があるからです。以下の条件に該当する方は公正証書遺言の証人になることはできません。

【公証人になることができない人】

・未成年者
・遺言によって財産を相続する予定の人、その配偶者、直系血族
・公証人の親族、公証役場の職員など
・遺言書の内容を読めない、理解できない人

公証人との事前打ち合わせを行う

必要書類の準備ができたら、公証人と事前打ち合わせを行います。公証役場での面談のほか、出張や電話による打ち合わせも可能です。

事前打ち合わせの内容に基づいて、公証人が公正証書遺言の文案を作成します。この内容は、メール、FAX、あるいは郵送で本人へ送付されます。内容を修正したいときは再度打ち合わせを行います。内容に問題がなければ、遺言書の作成手続きに進みます

遺言書の作成を実行する

公正証書遺言を作成するため、本人は、証人とともに公証役場へ訪問します。公証人に出張で来てもらう場合は、自宅や病院で待機します。この際、本人は実印を、証人は認印を持っておきます。

遺言書を最終確定させるため、公証人はその文案を本人に対して読み聞かせます。問題なければ、本人・公証人・証人のそれぞれが署名し、押印します。

最後に、費用を現金で支払います。作成された遺言書は、公正証書として公証役場に保管されます。手数料を支払って、正本と謄本の交付を受けることも可能です。

遺言の取消しや修正は可能か?

遺言は、本人の意思を保護しようという制度ですから、取消し(撤回)や修正は、いつでも、何回でも可能です。心境が変わったり、考えが変わったりすることもあるでしょう。また、遺言を作成した後に、個人財産の内容が大きく変化することはよくあります。そのような場合、遺言を書き直した方がよいといえるでしょう。

もちろん、遺言の撤回や修正は、決められた方式に従って、適法に行わなければいけません。

東京都の公証役場はどこ?その連絡先は?

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