遺言書の基本的な書き方を解説!無効にならないためのポイントは?

遺言書

近年、「終活」がブームのようになっています。人生の終わりを元気なうちに見据え、訪れる「死」に備えなければならないということを、コロナ禍を経験して、多くの人が切実に感じ始めているようです。

終活で遺言書や流行りの「エンディングノート」を作っておこうかと考えている人も多いかもしれません。

遺言書は、人生最期の「想い」を表す文書ですが、書く機会はなかなかないので、正しい書き方を知らない人が多いでしょう。遺言書は書き方を間違えると無効になってしまうこともあります。

そんなミスをしないために、遺言書の基本的な書き方や無効にならないためのポイントなどを詳しく解説していきます。

目次

遺言書とは?

遺書と遺言書は別物

遺言書とは、財産を所有する人が、自分の死後に財産をどう分けるのかを示した書面のことです。遺言書で財産の分け方について意思を表示しておくことで、渡したい人に財産を譲ることができます。

遺書と遺言書とは違うもの

遺書と遺言書は同じものだと思われがちですが、遺書と遺言書は別物です。

遺言書は遺産をどう分けるかを示した法的な書類ですが、遺書は死に際し、自分の気持ちを伝えるための手紙のことです。遺書に自分の財産の分け方について書いても法的には効力はありません。

民法で定められた遺言書の定義

遺言書は民法で定められた遺言の要件を満たさなければ法的効力はありませんので、遺言書を作成する前にしっかりと内容を確認するようにしましょう。

遺言書の種類

遺言は大きく分けて2種類の遺言があります。「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」です。 一般的に行なわれているのは普通方式の遺言です。 また、「普通方式の遺言」には以下の3つの種類があります。

  1. 自筆証書遺言
  2. 公正証書遺言
  3. 秘密証書遺言

今回は、その中でも最も一般的な「自筆証書遺言」について紹介します。

自筆証言遺言 ~一般的な遺言 

自筆証書遺言は、その名前のとおり、自分で作成した遺言書のことです。

自筆証書遺言は、誰でもすぐに作成できますが、様式が厳格に定められているので、様式を少しでも誤ると無効になってしまうおそれがあります。

自筆証書遺言が無効にならないためのポイント

以下、自筆証書遺言の作成で無効にならないためのポイントを紹介します。

全文を自筆で記載

パソコンで作成した遺言書は、仮に本人の署名や押印があっても無効になります。

なお、平成31年1月13日に施行された法改正によって財産目録は自書しなくてもよいこととなりました。

必ず署名・押印する

自筆証書遺言には、遺言者の署名と押印がなければ無効になります。また、署名をするのは、必ず遺言者1名のみとされているので、夫婦二人が共同で遺言をするということはできません。

なお、遺言者の押印については実印でなく拇印でも良いのですが、拇印だと遺言者本人のものかどうかわからなくなる可能性があるので、避けた方がいいです。またシャチハタも避けましょう。

必ず作成日を記載

日付も必ず「自書」しなければならなく、スタンプなどを利用すると無効になってしまいます。

訂正の方法に気を付ける

自筆証書遺言の記載内容を訂正する場合のやり方も厳格に決められています。

まずは訂正したい箇所に二重線などを引き、二重線の上に押印し、その横に正しい文字を記載します。そして、遺言書の末尾などに、「〇行目〇文字削除〇文字追加」と自書で追記して署名をしなければなりません。

訂正方法はかなり厳格なので、万が一、遺言書を訂正したいときは、できる限り始めから書き直した方がよいでしょう(訂正前のものは無用な混乱を避けるため破棄しましょう)

2枚以上になったら契印(割印)をし封印をする

遺言書が2枚以上にわたった場合には、ホッチキスなどで綴り、契印をするようにしましょう。

契印とは、二枚以上の書類がある場合に、それらがひとつの連続した文章で、順番に違いないこと(抜き取られていたり、足されたり、順番が入れ替わったりしていないこと)を証明するために、両ページまたがって押す印鑑のことです。契印は遺言書が有効となるための必須の条件ではありませんが、偽造を防ぐためには有効ですのでしっかりとしましょう。

また、遺言書を作成したら、封筒などに入れて、未開封であることの証明として封印をしてしっかりと保管しましょう。

自筆証言遺言書の様式

上記の無効にならないためのポイントに加え、自筆証書遺言書には守らなければならない様式があります。

法務省の「自筆証言遺言書補完制度」のページに詳しく紹介されていますので、参考にしてください。

  

法務省「自筆証言遺言書補完制度」:https://www.moj.go.jp/MINJI/03.html

まとめ

自筆証書遺言は誰にでも手軽に作成できる遺言書ですが、遺言書作成に関する知識がない方にとっては不安なことも多いでしょう。 遺言書の内容などは、できる限り弁護士や司法書士などの専門家に相談して作成することをおすすめします。

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この記事を書いた人

公認会計士/税理士/宅地建物取引士/中小企業診断士/行政書士/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年経済産業省「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント・コンサルティング部、みずほ証券投資銀行部門、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部門に在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継のアドバイスを行った。現在は税理士として相続税申告を行っている。

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