日本の医療・介護:自己負担とサービスの現状

目次

医療費の自己負担割合

収入によって医療費の自己負担の割合が変わることがあります。

医療費の負担割合は、70歳未満の方は収入に関わらず3割負担(6歳未満の場合は2割負担)です。しかし、70歳以上の方は現役並み所得者かどうかで負担割合が異なります。

現役並み所得者の場合、70歳以上でも引き続き3割負担となります。一般・低所得者の場合、70歳から74歳までは2割負担、75歳以上は1割負担となります。

現役並み所得者とは、世帯内に住民税の課税所得が145万円以上の方などを指します。ただし、同一世帯の後期高齢者医療被保険者数に応じた合計収入額が一定額未満(被保険者数が1人の場合は383万円未満、2人以上の場合は520万円未満など)の場合は、申請により1割負担となります。

介護保険料はいくらか

介護保険の保険料負担は、65歳以上の方と40歳から64歳までの方では計算方法が異なります。65歳以上の方を第1号被保険者、40歳から64歳までの方を第2号被保険者と呼びます。

① 第1号被保険者(65歳以上の方)

第1号被保険者の保険料は、お住まいの市町村が保険者となり、市町村民税の課税状況や合計所得金額などに応じて段階別に設定されます。

② 第2号被保険者(40歳~64歳の方)

第2号被保険者の保険料は、各健康保険により計算方法が異なります。保険料額については、ご自身が加入している健康保険の窓口にお問い合わせください。

健康保険料はいくらか

74歳未満の方の健康保険料は、定年退職後に任意継続被保険者となる場合や国民健康保険の被保険者となる場合など、加入する健康保険により異なります。

75歳以上の方(一定の障害があると認定された65歳以上の方を含む)は後期高齢者医療制度の被保険者となり、健康保険料はお住まいの地域によって異なる均等割額や所得割率で計算されます。

介護サービスを受ける手順

介護サービスを受ける手順は次のようになります。まず、市町村の窓口に申請を行い、自宅で聞き取り調査(認定調査)を受けます。その結果に基づいて要介護度が判定されます。次に、ケアマネージャーがケアプランを作成し、そのプランに基づいて介護サービスを受けることができます。

介護サービスの種類

介護サービスには主に3種類あります。一つ目は「居宅サービス」で、自宅での介護サポートが提供されます。二つ目は「地域密着型サービス」で、地域のサービスセンターやデイサービスなどを利用する形です。そして三つ目は「施設サービス」で、介護施設でのサポートが受けられます。

介護サービスの費用負担

介護サービスの費用は介護保険が適用されます。利用者は自己負担として1割~3割を負担し、その他の費用は介護保険が補填します。ただし、介護保険で利用できる金額には上限額(支給限度額)が設定されており、その上限額を超える部分は利用者が全額自己負担する必要があります。

居宅サービスの種類

居宅サービスには、以下のような種類が提供されます。

訪問介護:自宅で入浴や食事などの介助が受けられます。

訪問入浴介護:自宅を訪問し、浴槽を提供して入浴介護が行われます。

訪問看護:看護師などが自宅を訪問して療養上の世話などを行います。

通所介護(デイサービス):定員19人以上の施設に通所し、日常生活上の支援や生活行為向上のための支援を受けることができます。

短期入所生活介護(ショートステイ):施設に短期間入所し、日常生活上の支援やリハビリが受けられます。

福祉用具貸与:自立を助けるための福祉用具が貸与されます。

住宅改修費支給:手すりの取り付けなどの住宅改修費用が支給されます。

これらのサービスは、利用者が自宅で安心してサポートを受けることができるように提供されます。

施設サービス

施設サービスは、住み替えが必要なサービスです。

特別養護老人ホーム:常時介護が必要で在宅での生活が困難な場合に入所できます。原則として、要介護3以上の方が利用できますが、要介護1・2の方でも特例的に入所が認められる場合があります。

老人保健施設:病状が安定し、リハビリを中心とする医療ケアと介護が必要な場合に入所できます。

介護療養型医療施設:比較的長期にわたって療護を必要とする場合に、医学的管理のもとで介護や必要な医療を行います。

これらの施設サービスは、自宅での生活が難しくなった方々に、適切なケアと支援を提供するためのものです。

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この記事を書いた人

公認会計士/税理士/宅地建物取引士/中小企業診断士/行政書士/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年経済産業省「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント・コンサルティング部、みずほ証券投資銀行部門、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部門に在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継のアドバイスを行った。現在は税理士として相続税申告を行っている。

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