中央区(銀座・京橋・築地・日本橋・茅場町)にお住まいの方の相続

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日本橋にお住まいの方の相続

中央区の日本橋は都内でも有数の有名地と言って良いでしょう。東京都中央区の日本橋川に架かる橋、またはこの橋にちなむ東京都中央区の町丁の名前ですが、その歴史は東京(江戸)を開いた徳川家康にまで遡り、全国の道路網(街道)整備計画に際し、初代の橋が架けられたころからの地名とされています。

そのため、江戸時代でも最初期に町地として開発されました。また街道の起点として交通の要所でもあったため、現代においてターミナルステーション周辺に繁華街ができるが如く、江戸時代には三越の前身である越後屋をはじめとする大店が集まります。また商店が集まった結果、貨幣鋳造施設である銀座や金座が周辺に作られ、それが中央区銀座の地名の由来にもなっています。

幕末を経て明治になり、維新の混乱の中で一時的に日本橋も廃れましたが、文明開化の中でガス灯や鉄道馬車が敷設されるなど、国内で屈指の繁栄地となりました。

戦後から現在までも、一貫して都内屈指の繁華街の1つであり続けています。その他に中央区最大の面積を誇る浜町公園など豊かな自然のあるスポットも多く、非常に素晴らしい地域です。

日本橋駅周辺の路線価に基づく相続税額

平成30年度の茅場町駅周辺の路線価に基づいて、相続税の計算を計算してみました。

【前提】
1.相続人は子2人とします。(配偶者はなし)
2.自宅の土地の面積を100㎡とします。(路線価×100㎡)
3.自宅以外に金融資産を所有しており、5,000万円を所有しているケースと、1億円を所有しているケースを想定します。
4.自宅は、居住に利用されていた土地として、小規模宅地特例を適用して▲80%の評価減を行うこととします。

日本橋駅周辺の路線価に基づいた相続税額

基準値 路線価 100㎡の土地評価額 小規模宅地特例適用後の評価額 相続税額
金融資産5,000万円 金融資産

1億円

中央区日本橋1丁目 1,100,000円 11,000

万円

2,200万円 350万円 1,200万円
中央区日本橋2丁目 1,300,000円 13,000

万円

2,240万円 356万円 1,208万円
中央区日本橋3丁目 320,000円 3,200

万円

640万円 相続税

ゼロ

888万円

茅場町にお住まいの方の相続

茅場町は、中央区の北東に位置しており、昔は証券会社が多く営業することで有名だった街です。元々茅場町は江戸時代初期の江戸城築城時期に、当時の屋根葺の材料となる茅が生い茂った草原で、建材商が商いをしていた地域です。

しかし、現在は証券会社を中心にオフィスビルが立ち並ぶビジネス街としての印象が大きいでしょう。

また茅場町駅は、1963年に当時の帝都高速度交通営団(現東京メトロ)の、日比谷線人形町駅〜東銀座駅間の開業に伴って開業しました。

ビジネス街としての印象が大きい茅場町ですが、当然居住者も存在し、日本橋茅場町1丁目〜3丁目までで合わせて846世帯、1,302人の人が暮らしています。世帯数と人口の割合から見て、単身者が割合あが高い事が伺えますが、家族で住まわれている人も存在し、ごく少数、古くからの地主の方なども居住しています。

この地域に居住はしていないけれども、オフィスビルやマンションなどの所有者となっているという方は、意外に多いかもしれません。

茅場町駅周辺の路線価に基づく相続税額

平成30年度の茅場町駅周辺の路線価に基づいて、相続税の計算を計算してみました。

【前提】
1.相続人は子2人とします。(配偶者はなし)
2.自宅の土地の面積を100㎡とします。(路線価×100㎡)
3.自宅以外に金融資産を所有しており、5,000万円を所有しているケースと、1億円を所有しているケースを想定します。
4.自宅は、居住に利用されていた土地として、小規模宅地特例を適用して▲80%の評価減を行うこととします。

茅場町周辺の路線価に基づいた相続税額

基準値 路線価 100㎡の土地評価額 小規模宅地特例適用後の評価額 相続税額
金融資産5,000万円 金融資産

1億円

中央区茅場町1丁目 275,000円 2,750万円 550万円 相続税

ゼロ

152万円
中央区茅場町2丁目 245,000円 2,450万円 490万円 相続税

ゼロ

143.5万円
中央区茅場町3丁目 320,000円 3,200万円 640万円 相続税

ゼロ

166万円

銀座にお住まいの方の相続

銀座は日本有数の繁華街であり、地域によっては最も路線価の高くなる地域です。中央区は江戸時代から栄えている地域のため、地名の由来が江戸時代の地名などにある場合が多いのですが、銀座もその例にもれず、江戸時代に銀貨の鋳造施設である”銀座”が置かれた事が名前の由来です。

位置は東京都中央区の西部にあり、南が港区、西が千代田区に接しています。都内の中心や主要地に近い場所です。

銀座の建物は1960年代の戦後復興の際までに建設されたものが多く、当時の建築基準によってその高さが31mまでに制限されていたため、統一された景観が形作られました。こうした景観の美しさも銀座の魅力と言えるでしょう。

銀座には2,439世帯、3,544人の居住者がいます。都心の一等地である交通利便性と銀座というステータスが魅力の地域と言えるでしょう。

銀座駅周辺の路線価に基づく相続税額

平成30年度の銀座周辺の路線価に基づいて、相続税の計算を計算してみました。
【前提】
1.相続人は子2人とします。(配偶者はなし)
2.自宅の土地の面積を100㎡とします。(路線価×100㎡)
3.自宅以外に金融資産を所有しており、5,000万円を所有しているケースと、1億円を所有しているケースを想定します。
4.自宅は、居住に利用されていた土地として、小規模宅地特例を適用して▲80%の評価減を行うこととします。

銀座駅周辺の路線価に基づいた相続税額

基準値 路線価 100㎡の土地評価額 小規模宅地特例適用後の評価額 相続税額
金融資産5000万円 金融資産
1億円
中央区銀座1丁目 450万円 4億5000万円 9000万円 1560万円 3040万円
中央区銀座2丁目 1500万円 15億円 3億円 8920万円 1億920万円
中央区銀座3丁目 850万円 8億5000万円 1億7000万円 3940万円 5720万円
中央区銀座4丁目 4300万円 43億円 8億6000万円 3億5000万円 3億7500万円
中央区銀座5丁目 4300万円 43億円 8億6000万円 3億5000万円 3億7500万円
中央区銀座6丁目 1000万円 10億円 2億円 4920万円 6020万円
中央区銀座7丁目 500万円 5億円 1億円 1840万円 3340万円
中央区銀座8丁目 610万円 6億1000万円 1億2000万円 2440万円 3940万円

京橋にお住まいの方の相続

中央区京橋の由来や魅力について見ていきましょう。

元々「京橋」という地名は、江戸時代に誕生した地名であり、当時の主要道路であった東海道の起点である日本橋から、「京へ上る最初の橋」が京橋と名付けられ、その橋の名前が地域の名前となりました。

その橋が架けられていた川の名前も京橋川というのですが、昭和34年京橋川自体が埋め立てによってなくなってしまい、現在は橋もなく高速道路が走っているのみとなります。

そんな由来を持つ京橋ですが、まず東京駅至近のビジネスの拠点としての魅力がもっとも大きな特長と言えるでしょう。

また、その他にも東京国立近代美術館フィルムセンターなど美術館が多く存在し、アートの町としても存在感を示しています。

京橋には230世帯、合計299人が暮らしています。世帯数と居住者数の比率的に、単身者の割合が最も多いと言えるでしょう。

京橋は都心の一等地でありながら、数々の老舗が点在しており、江戸情緒を楽しみながら東京駅や銀座への近さなど利便性も享受できる魅了的なエリアです。

特に老舗界隈を中心に、暖かいコミュニティが生き続けており、伝統的なお祭りである山王祭では周辺町会の神輿が出ています。このように、「京橋」は、東京都心へのアクセスも良い住みやすさと便利さが共存している街です。

京橋駅周辺の路線価に基づく相続税額

平成30年度の茅場町駅周辺の路線価に基づいて、相続税の計算を計算してみました。

【前提】
1.相続人は子2人とします。(配偶者はなし)
2.自宅の土地の面積を100㎡とします。(路線価×100㎡)
3.自宅以外に金融資産を所有しており、5,000万円を所有しているケースと、1億円を所有しているケースを想定します。
4.自宅は、居住に利用されていた土地として、小規模宅地特例を適用して▲80%の評価減を行うこととします。

京橋駅周辺の路線価に基づいた相続税額

基準値 路線価 100㎡の土地評価額 小規模宅地特例適用後の評価額 相続税額
金融資産5,000万円 金融資産

1億円

中央区京橋1丁目 53万円 5300万円 1060万円 186万円 972万円
中央区京橋2丁目 47万円 4700万円 940万円 174万円 948万円
中央区京橋3丁目 52万円 5200万円 1040万円 184万円 968万円

築地にお住まいの方の相続

築地というと東京築地市場の印象が強いので、観光地やお寿司の町というイメージが大きいかもしれません。

しかし、築地は築地市場以外にも明治の頃は京橋区役所、現在は中央区役所が置かれるなど、中央区行政の中心を担ってきた地域であり、警察署や郵便局など多くの公的施設が置かれていて人口も多い地域です。

位置は旧京橋区にあたる京橋地域内であり、現行行政地名は築地一丁目から築地七丁目になります。

なお、築地は銀座も近いせいか、町内には「銀座」や「東銀座」が名前に入れられた建物が多いという特徴があります。

実は「築地」というのは、もともと「埋立地」という意味であり、江戸時代に佃島の人たちが大火で焼失してしまった西本願寺の建立地とするために造成されだしたのが始まりです。こうした経緯で誕生した土地のため、多くの寺院や墓地が建立され、その後は武家屋敷も多く建てられるようになりました。

築地が現在のような姿になったのは、大正に起きた関東大震災が原因です。震災によって築地は焼け野原となってしまい、復興時の区画整理によって寺院の移転や魚河岸(築地市場)の形成などが行われました。

現在は、5081世帯、7993人ものが人が住んでおり、都営地下鉄大江戸線築地市場駅・東京地下鉄日比谷線築地駅・東京地下鉄有楽町線新富町駅と3路線・駅が使えるため、利便性も良い地域です。

このように、「築地」は、自然に恵まれ、東京都心へのアクセスも良い、住みやすさと便利さが共存している街です。

築地周辺の路線価に基づく相続税額

平成30年度の築地周辺の路線価に基づいて、相続税の計算を計算してみました。

【前提】
1.相続人は子2人とします。(配偶者はなし)
2.自宅の土地の面積を100㎡とします。(路線価×100㎡)
3.自宅以外に金融資産を所有しており、5,000万円を所有しているケースと、1億円を所有しているケースを想定します。
4.自宅は、居住に利用されていた土地として、小規模宅地特例を適用して▲80%の評価減を行うこととします。

築地周辺の路線価に基づいた相続税額

基準値 路線価 100㎡の土地評価額 小規模宅地特例適用後の評価額 相続税額
金融資産5,000万円 金融資産

1億円

中央区築地1丁目 2,900,000円 2億9000万円 5800万円 920万円 2080万円
中央区築地2丁目 1,900,000円 1億9000万円 3800万円 590万円 1520万円
中央区築地3丁目 2,000,000円 2億円 4000万円 620万円 1560万円
中央区築地4丁目 1,300,000円 1億3000万円 2600万円 410万円 1280万円
中央区築地5丁目 1,000,000円 1億円 2000万円 320万円 1160万円
中央区築地6丁目 750,000円 7500万円 1500万円 245万円 1060万円
中央区築地7丁目 700,000円 7000万円 1400万円 230万円 1040万円

中央区の税務署はどこにあるか?

日本橋税務署

〒103-8551
東京都中央区日本橋堀留町2丁目6番9号
03-3663-8451

京橋税務署

〒100-8129
千代田区大手町1丁目3番3号
大手町合同庁舎3号館 6階・7階
03-4434-0011

財務省 国税庁 東京国税局

東京都中央区築地5-3-1
03-3542-2111

相続税額の計算の仕方

土地の相続税評価額はどのように計算されるのでしょうか。

都内の土地に係る相続税を計算する際は、通常、「路線価方式」によって計算します。国税庁のホームページには、各地域の路線価図というものが掲載されていますから、自宅が面している道路の路線価を調べ、それに面積を乗じることで自宅の土地の評価額を計算することができます。

相続生前対策では、自宅の土地の評価額だけでなく、所有している現金預金、非上場株式、金融資産を合計し、そこから基礎控除を差し引き、推定相続人に法定相続分で分割することを想定すれば、将来的に発生するであろう相続税の金額を予測することができます。

小規模宅地特例とは

小規模宅地特例とは、相続発生の直前に居住用または事業用に利用されていた土地を相続した場合、一定の面積までは相続税評価を引き下げるという制度です。
ここでの計算では、被相続人の居住用の土地の面積が100㎡としていますので、小規模宅地特例により330㎡の上限の範囲内に入り、全体に▲80%の評価減が行われます。

相続税の基礎控除とは

相続税の基礎控除とは、相続税の非課税枠です。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
ですので、法定相続人が子2人であれば、
3,000万円 + (600万円 × 2人) = 4,200万円
となり、相続財産が4,200万円以内であれば相続税はかからないということになります。

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この記事を書いた人

公認会計士/税理士/宅地建物取引士/中小企業診断士/行政書士/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年経済産業省「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント・コンサルティング部、みずほ証券投資銀行部門、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部門に在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継のアドバイスを行った。現在は税理士として相続税申告を行っている。

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