事業再構築補助金【最高1億円】の解説

事業再構築補助金【最高1億円】の解説

菅内閣の閣議決定(令和2年12月)の第3次補正予算案において「事業再構築補助金」の制度が設けられると明記されました。ここでは事業再構築補助金について解説いたします。

事業再構築補助金とは何か?

これは、日本商工会議所や全国商工会連合会の指導を受けながら、経営計画を作成して申込みを行えば、補助金の受給できる制度となるでしょう。小規模事業者持続化補助金の募集が終了しましたので、次の制度として事業再構築補助金が期待されます。

経済産業省による事業再構築補助金の資料はこちらからダウンロードしてください。また、経営資源集約化税制や事業承継・引継ぎ補助金などすべてまとめたパンフレット・チラシはこちらからダウンロードしてください。

事業再構築補助金

補助金額と補助率はいくら?

申請する会社の規模によって「中小企業」(中小企業基本法の定義による)と「中堅企業」に分類されています。

規模

補助金額 補助率 採択数

中小企業

通常

100万円~6,000万円

2/3  
卒業

6,000万円~1億円

2/3

400社限定

中堅企業

通常

100万円~8,000万円 1/2、1/3  
グローバル

8,000万円~1億円

1/2 100社限定

こんな事業であれば事業再構築補助金がもらえる

イメージとしては、設備投資による業務効率化です。

(例)飲食店の場合、売上が減少した飲食店が、コロナの影響で売上が減少したとしましょう。店舗を縮小して経費を節減する一方で、インターネット上のWebサイトでオンライン注文を受けるサービスを導入したり、宅配や持ち帰りにも対応したりするなど新たな業務を導入する場合が想定されます。

(例)自動車部品製造業の場合、コロナの影響で売上が減少したとしましょう。これまで蓄積してきた技術を活用し、自動車部品製造に係る機械設備の廃棄や除却を行う一方で、新たにロボット関連製造や医療機器製造事業を開始すべく、新たな機械設備の投資や従業員のための研修を行うような場合が想定されます。

(例)衣服の小売店の場合、コロナの影響で売上が減少したとしましょう。店舗を縮小して経費を節減する一方で、インターネット上のWebサイトでオンライン販売を行ったり、利用に応じて課金するサブスクリプション・サービスを導入したりするなど新たな業務を導入する場合が想定されます。新サービスに係る機器導入費や広告宣伝費が補助対象となります。

事業再構築補助金の申請要件は?

売上高減少要件、事業計画策定要件、付加価値増加要件の3つがあります。

【申請要件①】売上高が以前よりも10%減少

申請前の直近6ヶ月間で、売上高が低い任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月間の合計売上高よりも10%以上減少していること。

【申請要件②】認定支援機関・金融機関からの指導によって事業計画を策定すること

自社の強みや経営資源を活かし、経済産業省「事業再構築指針」に沿った事業計画を作成すること。認定支援機関(商工会議所、金融機関、公認会計士など)の支援が必要です。

【申請要件③目標】付加価値額の3%成長

事業再構築が終了した後、3年から5年で、付加価値額が年率平均3%(または5%)以上増加すること、従業員1人当たり付加価値額が年率平均3%(または5%)以上増加することを⽬指すことになります(必達目標ではないと考えられます。)。

事業再構築補助金の募集要項は?

令和2年12月現在、事業再構築補助金の募集要項が掲載されるWebサイトはありません。中小企業の生産性向上を目指すものである点、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金と共通することから、中小企業生産性革命推進事業のWebサイトの中に組み込まれるものと推測されます。

事業再構築補助金の制度趣旨

政府は、これまで経営資源引継ぎ補助金等によって、中小企業・小規模事業者の業態転換や経営転換、M&Aによる事業統合による生産性向上と賃金上昇が後押ししてきました。

ポストコロナに向けて、事業再構築補助金を創設し、大きな経営環境の変化に適応しようとする中小企業・小規模事業者による新規事業への進出等の新分野展開、事業転換、業態・業種転換等への取組みや、事業再編や事業統合による規模の拡大を行う事業者に対して、設備投資費用等を最大1億円補助するものされています。

事業再構築補助金の補助対象者は誰か?

補助対象者は「中小企業」と「中堅企業」です。このうち「中小企業」とは、以下のような小規模事業者になると予測されます。「中堅企業」については、募集要項をご確認ください。

商業・サービス業(宿泊・娯楽除く)従業員5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業従業員20人以下
製造業その他従業員20人以下

よくある質問ですが、代表者1人だけ、従業員ゼロの法人であっても補助対象者となることができます。

事業再構築補助金の対象となる事業は何か?

小規模事業者持続化給付金のコロナ対応特別型を参考にしますと、以下のような事業になると予測されます。

事業再構築のための以下のいずれか1つ以上の投資を行うこと

1.販路開拓によって生産性向上へ取り組むための投資
海外への販路拡大、非対面型ビジネスモデルへの転換があります。

2.業務効率化によって生産性向上へ取り組むための投資
サービス提供等プロセス改善やIT利活用、テレワーク環境の整備があります。

事業計画を策定していること

「事業再構築指針」(経済産業省)に沿って作成した「事業計画」に基づき、認定支援機関(商工会議所、金融機関、公認会計士など)の支援を受けながら実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組であることが求められます。

したがって、事業再構築補助金を申込むためには、認定支援機関の担当者から指導を受けて事業計画を作成し、申込書類に押印してもらう必要があります。

事業計画のイメージは以下のようなものとなります。なお、事業承継計画を記載すれば加点され、採択の可能性が高まることになるでしょう。

事業再構築補助金の補助対象となる経費は何か?

小規模事業者持続化補助金を参考にしますと、以下のような経費になると予測されます。

(1)使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
(2)交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
(3)証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

【例】機械装置等費・広報費・展示会出展費・旅費・開発費・資料購入費・雑役務費・借料・専門家謝金・専門家旅費・設備処分費・委託費・外注費

事業再構築補助金の申請開始はいつから?事業実施期限はいつまで?

通常通りのスケジュールであれば令和3年4月以降に募集が開始されると考えられます。しかし、新型コロナウィルスの感染者が拡大し、中小企業・小規模事業者の経営環境がますます厳しくなっており、早期のサポートが求められていることから、令和2年2月に募集が開始されるかもしれません(小規模事業者持続化補助金の最終の募集時期であるため)。

小規模事業者持続化補助金は、当初は第4回(令和2年10月締切)で募集が終了する予定でした。しかし、新型コロナウィルス感染が拡大したことから、急きょ第5回募集(令和2年12月締切)が追加されたという経緯があります。事業再構築補助金が前倒しで開始される可能性も十分あるでしょう。

事業実施期間は9ヶ月間と想定されます。この期間内に既存事業の廃止を行い新規事業の投資を実行しなければいけません。スピード勝負です。

事業再構築補助金のスケジュールは?

2020年12月頃:経済産業省から補助金概要(三次補正予算の閣議決定)の公開
2021年1月頃:国会にて三次補正予算の成立(すぐに認定支援機関に相談しましょう。)
2021年2月~4月頃:補助金の公募開始(通常であれば4月です。今回は2月になるのではないかと予想されます・)
2021年5月~8月頃:補助金の採択の審査期間
2021年9月頃(予想):採択結果の公表
2021年9月頃(予想):交付決定
2021年9月~2022年夏頃(予想):事業実施期間(この期間に投資を実行します。)
2022年夏頃(予想):実績報告
2022年頃(予想):補助金の支給(後払いなので、支出を先行させます。)

事業再構築補助金の申請方法は?

事業再構築補助金の申請方法は、申請書類一式を作成し、補助金事務局へ提出して審査を受けるというものです。事業承継補助金が電子申請であったことから、今回も電子申請になることが想定されます。

事業再構築補助金の申請の必要資料は?

申請書類として、事業再構築補助金申請書、事業計画書、認定支援機関による支援計画書、誓約書などが必要になるでしょう。

添付書類として、法人の場合は、貸借対照表および損益計算書(直近1期分)の写し、個人事業主の場合は、直近の確定申告書【第一表、第二表、収支内訳書】の写しが1部ずつ必要となります。

採択されましたら、補助金交付申請書を提出します。

事業再構築補助金のメリットとデメリット

補助金は返済義務がない資金というメリットがあります。しかし、デメリットもあります。補助金のことを「棚からぼたもち」のように自由に使えるお金をもらえるのだと勘違いする方もいらっしゃいますが、しっかりと募集要項を読みましょう。

事業再構築補助金のメリット

事業の再構築によって経営環境の変化を乗り切ろうとしようにも、新しい事業を開始するための初期投資の資金が無くて困る方が多くいらっしゃいます。また、既存事業の廃業にも費用負担が生じます。そんな方々にとって、事業転換を実現し、将来の収益獲得をもたらす設備投資に返済不要の資金である補助金が出るのは大きなメリットです。

事業再構築補助金のデメリット

事業再構築補助金は自由に使ってよいというわけではありません。既存事業の赤字補てんに流用したり、代表者個人の生活費に流用したりすることは許されません。補助金の使徒は、既存事業の廃業費用、設備投資、新商品の開発費用や販路開拓費用に限定されます。

また、計画する設備投資の資金調達の手段となるわけではありません。給付された補助金を機械設備の購入代金に充てることはできません。つまり、自己資金または銀行借入金で投資を実行することを前提とし、実行した後から補助金が給付されるのです。支出が先行するというのはデメリットと言えるかもしれません。

事業再構築補助金の申請手続きを相談すべき専門家は誰か?

補助金の申請書類を作成することは、日常業務に多忙な経営者にとって酷な話です。スピード勝負の申請を確実に行うには、専門家のサポートを受けることが不可欠です。特に、審査において重要なポイントとなるのは「事業計画」です。

この点、公認会計士や中小企業診断士など企業経営の専門家のアドバイスを受けて「事業計画」をしっかり書くことができれば、補助金の採択率を高めることができるのです。

事業再構築補助金の申請について相談すべき専門家は、公認会計士や中小企業診断士ということになります。無料相談をご希望であれば、事業承継コンサルティング株式会社の中小企業診断士が対応しています。ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など補助金申請を数多く支援し、豊富な実績を有する中小企業診断士が承ります。ご相談は無料です。以下のボタンからお申し込みください。

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