節税できる!不動産投資で減価償却のすごい仕組み!

節税できる!不動産投資で減価償却のすごい仕組み!

不動産投資における減価償却の活用

不動産投資を行う方の節税手段に、減価償却という経費の計上があります。

この減価償却を使えば、会計上の利益が出ていても、経費の計上によって、所得を圧縮することができます。キャッシュ・フローが減るわけではありません。

具体的な減価償却の仕組みや、計算方法等を完全に理解している人は多くないと思いますので、不動産の減価償却について仕組みをわかりやすくご説明いたします。

不動産の減価償却費は、購入した建物が、将来に渡って時間とともに価値が滅失していくと考え、毎年、取得価額の一部を減価償却費として経費に計上することができるものです。

減価償却ができるのは建物や設備だけで、価値の滅失が生じるものだけを経費として計上することができます。

所得はどうやって計算するのか

不動産投資を行って、不動産収入がある場合、必要経費を可能な限り多く計上することによって、確定申告(青色申告)で所得税を軽減することができる場合があります。

税金は、収入から経費を引いた所得に、税率を掛け合て計算した金額です。そこでの節税の方法の一つとなるのが、経費をなるべく多く計上することです。

不動産投資に限らず、どんな事業でも、益金から損金を差し引くことで所得を計算し、この所得にもとづいて課税額が決定されます。原則として、益金および損金は、課税期間内に生じた収入及び経費から構成されます。

減価償却費は、損金として代表的なものですが、実際にキャッシュ・フロー(現金支出)が伴う経費ではありません。帳簿上の数字に過ぎませんが、これを経費として計上し、所得を計算することで、税負担を軽減することができます。

なぜ減価償却が必要なのか

ところで、不動産投資を行った年度において、建物の取得費用を購入時に一括して経費としてしまったら、どうなるでしょうか。

その年度は大幅な赤字となり、欠損金が発生します。しかし、そのような巨額な損金は、今後数十年にわたり生じる家賃収入と対応すべきものです。一括して損金として形状すると、家賃収入を計上する期間がずれてしまいます。

そこで、建物の取得費用を、資産価値の減少に応じて経費に振り替えるのです。すなわち、建物等の減価償却資産は、時の経過等に応じて価値が目減りしていくと考えます。

このように資産価値が減少する事実を、会計や税法では、資産を経費に振り替える処理によって、適正に反映させるのです。

会計では、これを費用収益対応の原則といいます。

税法でも同じ考え方でしょう。益金と損金の対応関係に応じて所得を計算するため、減価償却という一定の方法によって各年分の必要経費として配分していきます。これが「減価償却」の仕組み、考え方です。

具体的には、減価償却資産(建物など)の構造や用途に応じて「耐用年数(償却率)」が定められています。

そして、減価償却資産の取得費用を、耐用年数にわたって配分する、つまり取得費用に償却率を乗じて減価償却費を計算します。

そのようにして計算された減価償却費が各年分の必要経費として処理され、所得の計算に反映されるのです。

ただし、土地は時の経過等により劣化しないので、減価償却を行いません。地価の下落はありますが、資産価値が滅失したわけではないのです。

不動産投資を行った場合、必要経費に占める減価償却費の割合が大きくなりますので、その計算を適正に行う必要があります。そのため、減価償却について正しく理解しなければ、所得を正しく計算し、所得税額を正しく計算することができません。

不動産投資における減価償却は正しく理解しておかなければいけません。

不動産投資で経費を増やすことが可能

たとえば、医師の方々は節税に大きな関心をお持ちです。

高額収入がある医師の方々が、手取り金額を増やそうとするならば、所得税等の負担を減らす節税対策が欠かせません。

「節税には様々な方法があるのではないか?」と思われるかもしれませんが、給与をもらっている勤務医の場合、節税方法は「不動産投資」しかありません

確定申告をしている方はわかるはずですが、所得税等が大きい理由は「課税所得が大きいから」です。なぜ課税所得が大きいかというと、「収入が多く、経費が少ないから」です。

それでは、課税所得を減らすためには、どうすればよいでしょうか。それは「所得計算上の赤字をつくること」です。

もちろん、いくら赤字が節税になるからといって、実際に現金流出を伴うような、経費の無駄遣いでは本末転倒です。そもそも税金や社会保険料が高額であるため、給与収入の手残り額が少ない勤務医の方々ですから、手取り額を増やすためだとしても、わざとお金を使ってしまっては意味がないのです。

ポイントは経費です。収入から差し引くことのできる「経費」が大きくなれば、課税所得を減らすことができ、所得税等を軽減することができます。

現金を減らさないように経費を増やすにはと考えたときに、不動産投資における減価償却の計上ということになります。

帳簿上の赤字まで作る減価償却が節税のカギ

経費を多く計上したい!と言っても、現金支出を伴う経費は、あくまで支出したものを費用としているだけです。経費計上はできますが、プラスの要素はありません。

そこで、「減価償却」という特殊な経費計上が重要なものとなります。

繰り返しになりますが、減価償却とは、長期間にわたって使用する不動産の価値が、時間の経過によって減るものとして、長期間にわたって経費計上を行うものです。

とはいえ、実際には建物を経費計上した分だけ価値が目減りするわけではありません。あくまで帳簿上の話です。

そうしますと、減価償却費を多額に計上する不動産投資で赤字になれば、それは「現物の赤字」ではなく「帳簿の赤字」です。つまり、実際に赤字でお金を減らすのではなく、帳簿上で赤字になっているだけというわけです。

ちなみに、区分所有マンションでは、土地(敷地権)と建物の両方を所有しますので、建物部分のみ減価償却して経費に計上することができます。土地に対する建物の比率は物件によって変わりますが、一般的に4〜6割程度が目安となります。

税法では、減価償却の対象になる資産を「減価償却資産」といいます。これらには使用可能期間である「法定耐用年数」がありますので、それにしたがって価値が減った分の金額を、その期間の必要経費に配分するのです。

なお、建物の法定耐用年数は用途、構造によって変わります。居住用のRC造であれば47年、重量鉄骨造34年、木造22年となっています。

【構造別の法定耐用年数】

[出典]国税庁ホームページ

このように減価償却費は、現金支出を伴わない経費として計上することができます。それゆえ、投資対象を選ぶときは、立地や利回りだけでなく「どれだけ減価償却がとれるか」という視点を持つことも有用です。

開業医は不動産投資で赤字を作ることができる!

わかりやすく説明するために、自動車の減価償却について説明してみましょう。

ある経営者が事業を経営していて、業績が好調だったとします。今事業年度末は、利益が600万円計上される見通しです。会社の600万円の利益に対して、法人税が課されます。これを節税するために600万円の新車を買えばよいでしょうか。

もちろん、600万円の取得費用を一括して経費に計上できれば、利益がゼロ儲けがゼロになりますが、このような処理は認められません。自動車のような減価償却資産を購入した場合、税法に減価償却の期間である「法定耐用年数」が定められているからです。

自動車の法定耐用年数は6年間です。つまり、毎年100万円ずつ6年にわたって経費に計上していきます。

このような自動車の購入に対する減価償却費の計上は、給料をもらっている勤務医にはできない節税策ですが、開業医(個人事業主)であれば可能なのです。

開業医(個人事業主)が赤字まで作ろうとするならば、その方法は不動産投資だけであると考えてよいでしょう。

不動産投資に躊躇される方は、「不動産価格が高騰しているから下落が怖い」「大きな金額のローンを組むのは怖い」という方もいらっしゃいます。しかし、不動産投資に係るリターンとリスクを理解して、一歩を踏み出す勇気が求められます。

不動産投資にもリスクは存在しますが、そのリスクの回避や最小化が可能です。今のまま何の対策もせず、ただ高い税金を払い続けるよりも、思い切って投資を実行したほうが、はるかにリスクは低いといえます。

中古物件の減価償却費は大きく計上できる

法定耐用年数によって決められる毎年の1年分の減価償却費ですが、建物が新築ではなく中古の場合でも同じ金額でしょうか?

建物が中古の場合は、原則としてその建物の使用可能期間を見積もることによって、耐用年数を決めます。この方法を見積法といいます。

しかし、その建物があと何年使えるかを見積もることはとても難しいので、税法では中古建物の耐用年数を簡単に算出するための簡便法という方法を決めています。この簡便法の計算方法は、2つあります。

(1)築年数が法定耐用年数を超えている場合

 耐用年数=法定耐用年数×20%

【具体例】
木造の建物(耐用年数22年)で耐用年数を超えている場合
木造の耐用年数22年×20%=4年(切り捨て)

(2)築年数が法定耐用年数の一部を経過している場合

 耐用年数=(耐用年数-経過年数)+ 経過年数×20%

【具体例】
RCの建物(耐用年数47年)で10年経っている場合の耐用年数
37年(耐用年数47年-築年数10年)+ 2年(築年数10年×20%)=39年

たとえば、1億円の土地付き築年数10年のRC物件を購入したとします。

RC造中古で築10年は、耐用年数は39年です。この耐用年数に基づいて減価償却費を計算します。耐用年数39年の償却率は0.026です。

しかし、購入した物件は、土地付きの物件なので、1億円を土地と建物に分ける必要があります。

購入価額を土地と建物に分けて計算する

実はここで知っている人だけのトクをする節税策があります。減価償却を行うことができるのは建物だけです(土地は償却できない。)。ということは、1億円のうち建物の割合が高ければ、減価償却費も多くなり、その効果は法定耐用年数の終わりまで続くことになります。

この土地と建物を分ける方法はいくつかあります。先ほどの1億円の物件を例にして分けてみましょう。

(1)売買契約書に土地と建物の金額が記載されている場合

売買契約書に、土地5千万円、建物5千万円と金額が記載されている場合は、その金額が土地と建物の金額になります。したがって、建物は5千万円となり、減価償却費は以下の通りになります。

建物5千万円×償却率0.026(耐用年数39年)=130万円/年

(2)売買契約書に土地と建物の金額が記載されていない場合

売買契約書に、土地と建物の金額が総額1億円と記載されている場合は、合理的な方法で土地と建物の金額を按分します。合理的な計算はいくつかありますが、最も代表的な方法が、固定資産税評価額を使って按分する方法です。

1億円で購入した物件の固定資産税評価額が、土地と建物合計7千万円であり、その内訳が、土地(4割)2,800万円+建物(6割)4,200万円だとすると、減価償却費は以下の通りになります。

土地と建物1億円×60%(建物4,200万円÷総額合計7,000万円)=建物の取得費 6,000万円

建物の固定資産税評価額 ÷ 建物と土地の固定資産税評価額の総額

このように求めた比率を、今度は取得価額(土地と建物の総額)に乗じることで、建物の購入費用を計算することができます。

建物6,000万円×償却率0.026(耐用年数39年)=156万円/年

次に、取得価額を、建物本体と建物附属設備に分けます。

土地と建物の評価額を分けたら、次に、建物本体と建物附属設備の取得価額を分けます。建物本体の減価償却はすぐに思いつきますが、建物附属設備にも減価償却は発生します。

建物附属設備の償却額は建物本体に比べれば少額です。しかし、設備の種類に応じて耐用年数が個別に定められており、計算は複雑です。この点、国税庁の資料「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に、建物附属設備の耐用年数が定められています。

さらに、建物の固定資産税評価額に消費税率(8%~10%)を加算して計算すると、建物の割合を大きくすることができます。今後、消費税率が上げられると、建物割合もその分高くなりますので、減価償却費を大きくしたい人には有利になることでしょう。

以上のように、中古物件の場合は、建物の金額の按分計算によって減価償却費が変わることになります。

したがって、物件を購入する際に、建物の金額を売主さんと交渉して売買契約書に建物価格を記載することができれば、購入した後の減価償却費を事前に決めておくことが可能となるのです。

このように考えると、不動産投資で節税を行うためには、不動産を購入する前から、物件を探す段階から、減価償却について検討しておくべきだといえます。

不動産は何年間で償却するか(残存耐用年数)

不動産の減価償却費を再確認しましょう。

減価償却費は、不動産の取得価額に法定耐用年数に応じた償却率を掛けて計算します。

法定耐用年数に応じた償却率ですが、建物の法定耐用年数は、その構造によって決まっています。鉄筋コンクリート(RC構造)は47年、重量鉄骨の場合は34年、木造は22年と決まっています。

そして、法定耐用年数に応じた償却率を調べます。建物の法定耐用年数の償却率は、国税庁が公表している「減価償却資産の償却率表」で調べることができます。

新築物件の場合は、そのまま法定耐用年数の償却率に当てはめて調べることができますが、中古物件については簡便法という方法で耐用年数を計算します。

さて、減価償却には、「定額法」と「定率法」という二つの計算方法がありますが、建物を対象とする場合、定率法を利用することができません。

まず、その物件の耐用年数を調べましょう。

耐用年数は建物の構造によって異なります。ほとんどの物件は以下の表のものですが、その以外の構造でも、国税庁の資料「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」から耐用年数を調べることができます。

鉄筋コンクリート(RC)造の住宅 47年
重量鉄筋(骨格材の肉厚が4ミリメートルを超える)の住宅 34年
木造の住宅 22年

物件が新築であれば、これらの年数がそのまま減価償却費の計算に用いられます。

中古物件の場合には、確認した耐用年数と取引時の経過年数から、残存耐用年数を計算する必要があります。その計算式は、簡便法を使います。

すなわち、既述のように、築年数が耐用年数を超えている場合は0.2を乗じた年数、年数が耐用年数を超えていない場合には、耐用年数から(経過年数×0.8)を控除した年数です

鉄筋コンクリートのマンションを竣工から13年後に購入した場合(耐用年数47年)、残存耐用年数は36年です。

残存耐用年数 = 47年 - (13年 × 0.8)
= 47年 - 10.4年
= 36.6年
端数切り捨て ⇒ 36年

毎年の減価償却費はいくらか(定額法)

定額法とは、購入価額を耐用年数で均等に配分する方法です。毎年同じ額の減価償却費が発生するため、計算方法も比較的理解しやすいものです。

平成28年3月までには、建物と設備を分けて設備だけ計上すれば、定率法を適用することもできました。しかし、平成28年4月以降は定額法に変更されています。

この方法で計算するためには、国税庁の発行する『減価償却資産の耐用年数等に関する省令』(e-Gov)に付録されている『別表第八 平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の定額法の償却率表』を確認します。

たとえば、新築の建物価格が2,000万円の鉄筋コンクリート造のマンションを購入した場合(耐用年数47年)、表を確認しますと、対応する減価償却率が「○・○二二」となっています。そこで、この数値「0.022」を建物の購入価額に乗じることで、毎年の減価償却費を計算することができます。

減価償却費 = 2,000万円 × 減価償却率0.022 = 44万円

事業年度の途中で取得した場合には、経過した月数に応じて発生した費用を計算するため、物件を取得した月から月割計算します。

なお、平成19年4月1日に償却率の改正があり、物件の取得した時期によって償却率が変わりました。同じ耐用年数の建物でも、取得した時期が平成19年4月1日より前か後ろかで償却率が変わります。

以上のように、減価償却費は、税法の計算に基づいて計上される数字であり、実際のキャッシュ・フロー(現金収支)とは関係ありません。キャッシュ・フローが黒字であっても、帳簿上の経費を計上すれば、所得を減らすことができます。

最近流行りのアメリカ不動産(別の記事で詳しく解説します。)を活用すれば、中古物件で耐用年数を過ぎているものは、なんと4年間という短期で償却できるため、多額の減価償却費を計上し、帳簿上赤字にすることも可能です。

不動産投資の減価償却費を、節税手段としてぜひ活用してみましょう。

不動産カテゴリの最新記事