富裕層向け資産アドバイザーの選び方

資産アドバイザーの選択肢

資産運用について専門家に相談してみたいと思った場合、どんな選択肢が考えられるでしょうか? 地元の金融機関をはじめ、銀行や証券会社、税理士・会計士、知人からの紹介など様々なケースがあるかと思います。
アドバイザー選定の1つ目のポイントは、儲かりそうな話や商品の説明ばかりする人ではなく、資産規模、ライフステージ、リスク選好度など、顧客プロフィールに合わせて商品選定やポートフォリオ設計をしてくれるかどうかという点です。「商品」というより「プロセス」を販売しているようなアドバイザーです。2つ目のポイントは、金融資産に関する専門知識を持っているのはもちろんのこと、税金、不動産、事業なども含めた「総合的な提案」をしてくれるかどうかという点です。

有力な相談相手の候補を挙げるとすれば、投資顧問業務に注力している証券会社のほか、独立系ファイナンシャル・アドバイザー(Independent Financial Advisor, IFA)と呼ばれる、個人向け投資顧問会社や証券仲介業者です。
欧米では、個人の会計士などが一任運用を行うことができる仕組みになっており、独立系の小規模投資顧問業者(Registered Investment Advisor,RIA)がたくさん存在しています。例えば米国では、RIAが約1万6500社存在し、そこに所属する営業員が約3万人います。

日本では、米国RIAのような、一任運用を行うことができる小規模な投資顧問業者は数少ないのですが、個人向けの投資助言会社や証券仲介業者の数は徐々に増えています。金融商品仲介業者とは、証券会社などの委託を受けて「有価証券の売買等の媒介」などを行う法人または個人です。複数の金融機関の中から運用商品を選ぶことができるため、多様な金融商品や運用方法の提案が期待できると言われています。また、原則転勤や人事異動がないので、顧客と長期的な関係が構築できる点もメリットといえます。

アドバイザー選びの注意点

気をつけなければならないのは、金融商品の勧誘について、無登録の業者が存在していることです。また登録業者であっても、ヘッジファンドやオフショアファンドなど、金融庁への届け出のない商品の情報提供を行っている業者が存在していることもあります。
業者の中には、海外の運用会社から違法な形で報酬を得ていることもあるようです。このような業者の場合、ある日突然行政処分の対象となったり、最悪の場合、詐欺であったりするリスクがあるため、取引を開始する前によく確認しておかなければなりません。

執筆者紹介

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氏名

森 秀光(もり ひでみつ)

生年月日

1966年9月20日

キャピタル・ソリューション株式会社 代表取締役

一橋大学経済学部卒。平成2年に野村證券株式会社入社。国内支店にて証券営業を担当後、米国及び欧州の運用会社にて、証券アナリスト及びファンドマネジメント業務に従事。平成9年より同社企画部門にて、国内支店のビジネス開発・営業支援業務に従事。同時に個人富裕層向けの資産運用アドバイス、上場法人向けのコンサルティング業務に携わる。平成26年より現職。有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継など、多様な側面から顧客資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。資産運用のプロフェッショナルとして、幅広く講演、研修、セミナーを行っている。

≪主な著書≫

book-mori
『超低金利・大増税時代の資産防衛戦略』(幻冬舎)

≪連載コラム≫

『お金のセオリー』(朝日新聞デジタル ウェブマガジン「&M」、KDDI・テレビ朝日・朝日新聞社 au端末情報サービス「auニュースEX」)
『超低金利・大増税時代に資産を守り抜くための「税金対策」』(幻冬舎 GOLD ONLINE)